子どもの歯並びは“毎日のクセ”で変わる? 成長を左右する口腔習癖とマイオブレース治療の役割|もりわき歯科|芦屋駅すぐの歯科・歯医者

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医療コラム

子どもの歯並びは“毎日のクセ”で変わる? 成長を左右する口腔習癖とマイオブレース治療の役割|もりわき歯科|芦屋駅すぐの歯科・歯医者

子どもの歯並びは“毎日のクセ”で変わる? 成長を左右する口腔習癖とマイオブレース治療の役割


はじめに ― 子どもの歯並びは“遺伝”だけでは決まらない

「うちの子の歯並び、遺伝だから仕方ない…」

そのように感じている保護者の方は少なくありません。しかし近年の研究と臨床経験からわかってきたのは、歯並びは遺伝よりも“毎日のクセ(口腔習癖)”の影響の方が圧倒的に大きいという事実です。

とくに、現代の子どもには

・口呼吸

・舌の位置異常(低位舌)

・舌突出癖

・口唇閉鎖不全

などが増えており、これらは顎の成長を阻害し、不正咬合を引き起こす主要な原因といわれています。

当院では、こうした「口腔習癖の改善」を軸にした小児矯正治療としてマイオブレース(MRC)を導入しています。これは単に歯を動かす治療ではなく、成長期の子どもの「成長そのもの」を最大限に生かすための治療です。

その重要性を示す象徴的な例として、当院では“姉妹の比較写真”を紹介しています。

同じ遺伝背景をもつ姉妹でありながら、口腔習癖を改善した子としなかった子で、顔貌・歯並び・顎の発育に大きな差が生まれているのがわかります。


口腔習癖を治療した場合と治療しなかった場合の比較 ― 姉妹の写真から分かること

ここで、ある姉妹の写真を紹介しましょう。

お口の癖を治した妹と、治さなかった姉がどのように成長したかをみてください。

幼少期にはほとんど差がなかったものの、成長する過程で

・顎の幅

・鼻の高さやバランス

・下顎の位置

・横顔のライン

などが大きく変わっています。

とくに、口呼吸や舌の位置異常を放置した子は

・口元が前に出る

・上顎が横に広がらない

・顎の成長が弱く、細長い顔になる

といった特徴がみられます。

一方で、早い段階から口腔習癖にアプローチを行い、

・鼻呼吸

・舌の正しい位置

・正しい嚥下

・口唇閉鎖

を獲得した子は、自然で調和のとれた顔貌へ成長しています。

この比較から明らかなように、歯並びの良し悪しは「成長期にどんな習慣を持っていたか」で大きく変わるのです。


なぜ毎日の“クセ”が歯並びを左右するのか?

歯は筋肉に囲まれており、

舌 → 内側から押す力

頬と唇 → 外側から押す力

がバランスを取ることで正しい位置に並びます。

ところが、口呼吸や低位舌があると、

・舌の力が弱くなる

・舌の位置が常に下がる

・上顎の横方向の成長が不足する

・歯列が狭くなる

・デコボコ歯列(叢生)につながる

といった問題が起きます。

また、舌突出癖や間違った飲み込み(舌で押し出す嚥下癖)が続くと、24時間のうちたった数回の力でも、習慣化すれば歯が前に押されてしまうのです。

顎の成長は“力の方向”で決まります。だからこそ、

筋機能の異常=発育の異常につながる

という構図になります。


歯並びを悪くする代表的な口腔習癖

● 口呼吸

鼻が使われなくなることで舌が下に落ち、

→ 上顎が狭くなる

→ 下顎が後ろに下がる

→ 口が閉じられない

という悪循環に。

● 低位舌

舌が上顎に吸い付いていない状態。

→ 上顎が成長しない

→ 歯が並ぶスペースが足りない

→ 顔が細く長くなる

● 舌突出癖

飲み込む度に舌で歯を押し出す。

→ 開咬・出っ歯の原因に。

● 頬杖、爪噛み、指しゃぶり

→ 片側への力が続けば、顎は簡単に歪む

● 間違った嚥下(飲み込み方)

舌を奥ではなく前に押し出す飲み込み方。

→ 出っ歯や開咬を助長。

これらは“成長期にこそ影響が大きい”ため、早期からの対応がもっとも効果的です。


マイオブレースとは? ― 原因にアプローチする新しい小児矯正

マイオブレースは、世界100カ国以上で使用される「筋機能矯正プログラム」です。

歯を直接動かす矯正ではなく、舌・呼吸・姿勢などの機能を正し、自然な成長で歯並びを整えるという考え方に基づきます。

マイオブレースが重視する4つの柱

① 鼻呼吸

② 舌の正しい位置

③ 正しい嚥下

④ 正しい口唇閉鎖

これらが改善すると、筋肉の使い方が変わり、上顎が自然に広がり、歯が並ぶ土台そのものが変わっていくのです。

当院でも、マイオブレースにより

・口呼吸の改善

・寝つきの向上

・姿勢の改善

・歯列の自然な整い

などの変化を実感していただくことが多くあります。


当院におけるマイオブレース治療の流れ

● 1. 初診(姿勢・呼吸・舌の位置・嚥下のチェック)

まずは「歯ではなく、原因を評価する」ことから始まります。

● 2. 顎の成長と歯列の分析

必要に応じてレントゲンや口腔内スキャンで評価します。

● 3. 装置選択(MRCシステム)

成長段階に合わせた複数のタイプから選択します。

● 4. マイオブレース・アクティビティ

医院および家庭で行う筋機能トレーニングです。

● 5. 家庭での習慣改善サポート

お子さんひとりの力だけでは成功しません。親御さんの関わりが治療効果のカギです。

● 6. 定期フォロー

成長を見ながら治療方針を調整します。


どんな症状の子に向いている?

以下のような場合はマイオブレースが特に有効です。

・口呼吸が気になる

・いびきをかく

・歯並びがガタガタ

・下顎が後ろに下がっている

・受け口傾向

・口元が前に出ている

・唇が閉じにくい

・舌の位置が低い

これらは“歯の問題”のように見えて、実際には呼吸や舌の使い方の問題であることが多いのです。


マイオブレース治療中に家庭で気を付けること

マイオブレース治療は“医院だけで完結する治療”ではありません。

日々の習慣を改善することで、治療効果は大きく高まります。

● 姿勢

背もたれにもたれすぎない

→ 顎が自然に引けるように座る

● 鼻呼吸

鼻づまりがある場合はまず耳鼻科的評価を。

● 口が開いていたら声かけ

口唇閉鎖を意識づけるだけでも大きな効果。

● 咀嚼回数を増やす

硬い食べ物は“顎の成長”を促す。

● 睡眠環境

枕の高さ、寝姿勢、鼻づまり対策なども重要。

これらはすべて、顎の成長と歯並びの土台づくりに直結します。


まとめ ― 成長期こそ、習慣が未来をつくる

歯並びは、ただ見た目の問題ではなく、

呼吸・姿勢・睡眠・全身の健康にも影響します。

そして、今回の姉妹の例からもわかるように、

「毎日のクセ」にどれほど早く気づき、改善できるかが、

子どもの将来の顔貌・歯並び・健康を大きく左右します。

マイオブレースは、

・成長期の子どもの潜在能力を引き出す

・原因から改善する

・抜歯を避ける可能性を高める

というメリットがあります。

当院では、保護者の方と一緒に“子どもの成長そのものを育てる治療”として

マイオブレースに取り組んでいます。


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