定期検診に通っているのに歯を失う人・守れる人の決定的な違い
- 2026年1月7日
- 予防・メインテナンス

目次
定期検診に通っているのに歯を失う人がいるのはなぜ?
「ずっと定期検診に通っていたのに、結局歯を抜くことになった」
これは、歯科医院でよく耳にする患者さんの声です。
一方で、同じように定期的に通っていても、
何十年も自分の歯を保ち続けている人がいるのも事実です。
この違いは、年齢や体質、運の問題だけではありません。
実はそこには、“歯科医院の選び方”と“定期検診の受け方”に決定的な差があります。
「定期検診=安心」と思ってしまう落とし穴
多くの方が、
「半年に1回、歯医者でクリーニングしているから大丈夫」
と考えています。
しかし、定期検診は受けるだけで歯を守ってくれる魔法ではありません。
定期検診はあくまで「チェックの場」であり、
結果を左右するのは日常生活の中での行動です。
定期検診を
・ただ歯石を取ってもらう場
・問題があればその時に治す場
と捉えていると、
気づかないうちにむし歯や歯周病は進行してしまいます。
クリーニングだけでは足りない理由(研究結果が示す本当の差)
「定期的にクリーニングを受けているのに、なぜむし歯ができてしまうのか?」
この疑問に、はっきりとしたヒントを与えてくれる研究があります。
2004年に発表された Rosen B らの研究では、
予防メインテナンスを 3・6・12・18か月 と異なる間隔で行い、5年間のむし歯の発生数を比較しました。
この研究で行われていたメインテナンスの内容は、
実は、予防歯科で世界的に有名な アクセルソン の長期メインテナンス研究と、ほぼ同じ項目でした。
・定期的なプロフェッショナルクリーニング
・むし歯と歯周病のチェック
・必要に応じた予防処置
つまり、「やっている内容そのもの」は大きく違わなかったのです。
ところが結果は大きく異なりました。
・Rosen の研究
→ 5年間で、平均4.4本のむし歯が新たに発生
・アクセルソンの報告
→ メインテナンスを受けているグループで、6年間に平均0.2本程度

同じようなメインテナンス内容なのに、
むし歯の発生数にこれほど大きな差が出た理由はどこにあるのでしょうか。
研究結果から考えられる最大の違いは、
プラーク(歯垢)の状態、つまり患者さん自身のセルフケアの質です。
アクセルソンの研究では、
・プラークスコアが非常に低い状態を長期間維持
・患者さんが「なぜケアが必要なのか」を理解し、高いモチベーションを保っていた
一方、Rosen の研究では、
・定期的な通院やクリーニングは行われていたものの
・プラークコントロールは患者さん任せの部分が大きく、
・日常のセルフケアの質にはばらつきがありました。
つまり、
むし歯の差を生んだのは「通院回数」や「クリーニングの有無」ではなく、
毎日のケアにどれだけ本気で取り組めていたかだったと考えられます。
このことは、
「定期検診に通っている=歯が守れる」ではなく、
定期検診を通じて“正しいケアが続けられているかどうか”が結果を左右する
という重要な事実を示しています。
次の章では、なぜプラークがすぐに戻ってしまうのか、
そして検診だけでは防ぎきれない理由を、もう少し具体的に解説していきます。
むし歯・歯周病は「見つける」だけでは防げない
定期検診では、
・むし歯の有無
・歯ぐきの炎症
・歯周ポケットの深さ
などをチェックします。
しかし、見つけること=防ぐことではありません。
原因であるプラークが減らなければ、
次の検診までの間に病気は再び進行します。
治療やクリーニングは、
あくまで「リセット」にすぎないのです。
歯を失う人に共通する“定期検診の受け方”
歯を失ってしまう方には、共通点があります。
・検診後しばらくすると、セルフケアが自己流に戻る
・指導された磨き方を続けられていない
・「痛くないから大丈夫」と考えてしまう
本人は真面目に通院していても、
生活の中での行動が変わっていないケースが多いのです。
歯を守れている人が実践している定期管理とは
一方、歯を守れている人は、
定期検診を「管理の場」として活用しています。
・プラークの付き方を毎回確認する
・できている点/できていない点を一緒に振り返る
・自分の弱点(磨き残しやすい場所)を理解している
定期管理とは、
歯科医院と二人三脚で口の中をコントロールしていくことです。
このような定期管理は、患者さんがそう望むだけでは実現できません。
真の予防歯科クリニックを選択する必要があります。
治療中心の昔ながらの日本型歯科医院や、クリーニング中心のお掃除型歯科医院では不可能です。
北欧型の予防歯科医院を選択することが必要です。

セルフケアの質が結果を分ける理由
プラークは、クリーニング後わずか数時間で再形成されます。
そのため、
1年に数回のケアより、毎日の歯磨きの積み重ねの方が、
圧倒的に影響力が大きいのです。
アクセルソンの研究でむし歯がほとんど増えなかった背景には、
患者さんが高いモチベーションを保ち、
プラークスコアを低く維持できていたことがあります。
(もちろん、むし歯を予防するにはフッ化物の使用が大前提です。)
「通う頻度」よりも大切な本当のチェックポイント
重要なのは、
・何か月ごとに通っているか
ではなく、
・その間、どんな状態で過ごしているかです。
同じ6か月間でも、
プラークがほとんどない人と、
常に磨き残しがある人では、結果は大きく異なります。
目安として、歯と歯茎の境目でのプラークの付着率(PCR)が20%以下を保つ必要があります。
どうでしょうか?
あなたは何%?
そもそも付着率を教えてもらっていない?
それを知ることができる歯科医院を選んでいるでしょうか?
定期検診を「歯を守る仕組み」に変えるために
定期検診を本当に意味のあるものにするには、
-
検査結果を理解する
-
自分のリスクを知る
-
日常生活での行動を少しずつ修正する
この積み重ねが欠かせません。
歯科医院は、
「悪くなったら治す場所」ではなく、
悪くならない状態を一緒に作る場所です。
まとめ|歯を守れる人がしている、たった一つのこと
歯を失う人と、守れる人の違いは、
定期検診に通っているかどうかではありません。
定期検診を通じて、
自分の行動を変え続けられているかどうかです。
定期管理とは、
歯科医院任せでも、患者さん任せでもありません。
お互いが役割を果たして初めて、
長期的に歯を守ることができます。
